住宅メーカーのリフォームが割高な3つの理由
住宅のリフォームを、工務店に頼むのか、住宅メーカーに頼むのか。
迷いますよね
ズバリ言います。
住宅メーカーのリフォームは割高です。
新築も同様ですが、住宅メーカーのリフォームが割高なのは、皆さんも想像に易しいですよね。
割高といっても、見た目の金額だけではありません。
今日は、メーカーのリフォームがなぜ高いのか、についてお話します。
(1)大きな会社を回すための費用がかかるから高い
これは皆さんご存知でしょう。
住宅メーカーは、どこも大きな会社です。
沢山の社員を抱え、毎月多くの月給を払っています。
全国に贅沢な社屋や広大な敷地を持ち、その建築費用や維持費、家賃を払っています。
膨大な広告費用をかけ、雑誌やチラシに宣伝を打ち、テレビCMを続けます。
その費用はどこからでるか。
そう。あなたのリフォームや新築の費用に乗せられるのです。
これは、全くもって当然のこと。
決して、メーカーが暴利を貪っているのではなく、必要であり、仕方の無いことなのです。
その費用の一部(といっても結構な額ですが)を負担することで、あなたは知名度からくる安心を買うのです。
本当に安心かは、慎重に判断して下さい。
一般に(と言っても裏話ですが)、住宅メーカーは、総額の4割以上の利益をとっていると言われます。
先ほども言ったように、暴利ではなく、必要な額なのです。
これが、小さな体制で回している工務店だと、2~3割程度の利益が妥当な線。
つまり、住宅メーカー=大きな会社に任せると、コスト面だけで大きな金額の差が出てしまうのです。
(2)建材を自由に選べない
住宅メーカーのリフォームが割高なのは、見積りの金額で見える数字の部分だけではありません。
建材の自由度が限られることも忘れないで下さい。
新築でもそうですが、住宅メーカーで選べる建材は限られます。
いわゆる、スケールメリットと言うヤツで、同じものを沢山仕入れれば、安くしてもらえます。
住宅メーカーは全国区で、しかも同じものを全国ですすめれば、それだけスケールメリットが出ます。
さらには、そのメーカーオリジナルの建材も企画でき、多数出るわけですから、それだけ安く仕入れることが出来ます。
当然、その分利益が見込めますから、メーカーは皆に同じものを勧めます。
それとは違ったものを希望すれば、追加料金が発生します。
この額が結構なレベルになるわけで。
「普通と違うものでは、金額があがります」と言われます。
ま、売る側としては当然で、特別な物は高くなる常識にのっとり、かなり割高となってしまいます。
常識として認識されている部分で、サービスする必要はありませんからね。
一方で、スケールメリットの望めない通常の工務店では、同じグレードであれば、好きな物が選べるわけです。
こだわりがあるのに、「値段が上がりますよ」の一言で諦めざるを得なくなるのは、非常に残念なことです。
これが、金額に現れない、住宅メーカーのリフォームが割高な理由のひとつです。
(3)職人さんの気持ち
普通、お施主さんであるあなたが知ることの出来ない話ですが、これが一番大切です。
(1)で、工務店よりもメーカーは多くの利益を取っていると書きました。
その一方で、職人さんに対する条件は非常に厳しいものなのが実情です。
大手住宅メーカーと契約したからと言って、施工するのは、大工さんをはじめとする地元の職人さんたちです。
このことについては、このサイトでも再三にわたって触れていますし、ご存知ですよね。
そう。大手と契約したからと言って、万事安心と言うわけではないのです。
先ほど、お施主さんから割高ともいえる額の料金をとっている(とらざるを得ない)ことはお話しました。
でも、職人さんに厚く手当てを払っているかと言うと、それは別の話。
実際には、通常よりも厳しい工期で、絞りに絞った日当で、工事を外注しているのです。
コスト意識の高い大企業ですから当然です。
あなたが職人さんだったらどうですか?
厳しい日程では、一生懸命工事にあたろうと思っていても、ミスがでるかもしれません。
まして、日当が通常よりも安いのであれば、気持ち的にも影響が出るでしょう。
中には、「あのメーカーの仕事は請けたくない」とこぼす職人さんもいますし、関係が悪くなっている話も、遠巻きに耳にします。
そう。大手と契約したからと言って、安心ではないのです。
結局は地元の職人さんが仕事をします。
地元の職人さんが、気持ちよく、本気で仕事ができる環境かどうかにかかっているのです。
さらに、先々の保証まで、工事を下請けた大工さん次第というメーカーもあるとか、ないとか。
「大手メーカーなら安心」というのは、神話にすぎないのです。
本当にお得なのは信頼できる工務店に依頼すること!だけど・・・
では、どうしたら良いのか。
結論は・・・
一番良いのは、
「良心的で、継続性のある、信頼できる工務店に依頼すること」です。
結局、工事をするのは地元の職人さんなのですから、余計なコストがかからないよう、住宅メーカーではなく、信頼できる工務店に依頼するのが一番です。
そのためには、ご自身の目と判断力で信頼できる工務店を探すか、リフォームを経験し、満足している知人の話から、工務店を探しましょう。
そういった工務店がみつからないなら、住宅メーカーも良いかもしれません。
割高なのを承知で、それを安心料と考えて住宅メーカーに依頼するのです。
でも、実際に施工するのは地元の職人さんであり、メーカーに期待する安心は「継続性」だけだと理解しておくことが大切です。